連絡版 No 1000

今年の一言(令和4年)

「伴走者」
                                      常務理事 茅野 隆徳

ごたいせつに
              
                            令和4年10月24日

 私は幼いころから喘息を持病とし今でもお付き合いをしています。物心ついて先生と呼んだのは保育園の先生でもなく、学校の先生でもない小児科の先生でした。その先生は診察が終わると必ず最後に「ご大切に」と言ってくれました。診察室を出るときは看護婦さんが「お大事に」と送り出してくれます。私はいつも変だなと思っていました。「大切」と「大事」どこがどう違うのか、ただ私は先生から言われた「ご大切」の言葉の方が元気をもらいました。「病気になってはいるけれどあなたは大丈夫。大切な人だから守ってあげるから」と言われている気がして、あんなに苦しかったのにいつしか先生の顔を見ると咳が止まってしまう経験を幾度もしました。
 病気を見るのでなく、一人の私を大切に思ってくれる人が居てくれる。この安心感、この温かさ、この優しさに憧れて、そんな仕事がしたくて私はここまで来た気がします。
 連絡版1000号なのか1000週なのか約21年間の一つの節目です。この連絡版はその名の通り私から職員のみなさん宛に送る業務連絡の一面と施設長と職員の壁や溝、つまり立場を超えて仲良くなる必要性があったから始めた事でした。振り返ってみると簡単にその効果は出ませんでしたが、みんなと一緒にやりたい、大切に思う気持ちは今も同じで、職場を取り巻く環境や人も大きく変わる中でその思いは強くなるばかりです。
 あなたが必要、あなたがいてくれてありがとう、あなたは誰にも変える事の出来ない人あなたは私にとって大切な人そんな意味を込めた「大切な人」に向けてのメッセージです。
 先週の連絡版でお伝えした孫の100までの数え歌ではないですが途中イヤになったり忘れたり、夜中や早朝にパソコンに向かう事もありましたが、その時間は自分自身と向かい合う時間でもあり職員のみなさんとの距離を縮める意味と共に、自分の心の整理の時間になった気がします。みなさんにはお付き合いをして頂き改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
 なぜ1000回の節目の題名を「ごたいせつに」にしたかと言うと、この間たくさんの人との出会いと共に別れも経験してきました。限りある命、何よりも尊い命はかけがえのない大切な人との出会いであり、その人は「価値があるから生きているのでは無く、生きているから価値がある」「生きているだけで100点満点」と言う気持ちにさせてくれました。だから今、私の周りに生きとし生けるものすべてに「ごたいせつに」の言葉を贈りたいと思います。介援隊の十八番・・・

         ♪悩み続けた日々が まるで嘘のように
            自分の言葉に噓はつくまい 人を裏切るまい
              生きてゆきたい 遠くで汽笛を聞きながら♪   を口ずさみながら

 この連絡版は1000をもって卒業とさせていただきます。              茅野 拝

   

   

   

  

   

  

   

             

   

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