連絡版 No976

今年の一言(令和4年)

「伴走者」
                                      常務理事 茅野 隆徳

交換日記
                                         令和4年5月9日

 この連休中日課になったこころのユニット訪問の時、ベッドで休んでいる利用者さんから手招きをされベッド脇にお邪魔すると「ハーモニー 家族作品集」の冊子を手渡された。
 その冊子は十年前ご夫婦と長男夫婦4人が書道、華道、墨絵、パッチワークなどの作品を展示した家族展の写真集でした。嬉しそうに話し始めた利用さんを見て私も床に腰を下ろしてゆっくり話を伺うことが出来ました。
 その中でご主人も同じこころに入居されていて部屋も1階と2階部屋の位置も上と下寝返りの音も聞こえるという話になりご夫婦でこんな施設の利用方法もあるのだと聞き入っていました。
 他の施設でもご夫婦で利用される方は今までも居ましたがその利用方法はいろいろで、夫婦部屋としてその効果を期待しながらも晴れの日ばかりではないご夫婦や、あえて同じ施設でも一年に一度の避難訓練で出会えて大泣きするご主人を横にする奥さんが印象に残っていますが、このご夫婦は職員さんの提案で交換日記をしていると話してくれました。
 交換日記?これも少し古い話になり言葉すら知らない人もいるかと思いますが、この奥さんはまるで少女のように小さな声で話す姿は、体調を崩され最近退院されたとは思えない程はしゃいでいました。「私は汚い字でゴチャゴチャ書くけれどお父さんは丁寧に書いてくれるの」「しばらく入院していたから心配かけたけど大丈夫だからと書いたけどなんて返事を書いてくれるか楽しみ」と声を上げて笑っていて私もつられて一緒に大笑いしてしまいました。
 いろんな夫婦がいて、ちがった人生があって、それぞれに今がある。正解もマニュアルも無い、そこには笑顔があれば今日一日いいスタートが切れるのだと朝の訪問のご褒美をもらいました。つぎの2階のご主人に挨拶をしたらいつも通りの笑顔で挨拶を返していただきました。

   

   

   

  

  

   

   

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