今年の一言(令和4年)
「伴走者」
常務理事 茅野 隆徳
空白の時間を埋める
令和4年6月20日
長期にわたるコロナ禍の中、ようやく各施設面会が出来るようになりました。ご家族が嬉しそうに玄関に駆け込む姿や、聞くとは無しに聞こえてくる利用者やご家族の声に、面会禁止の文字が家族との時間を長く隔てていたことを改めて感じることが出来ました。
ご家族は記憶にある姿と目の前のご本人の姿を確認して、やせた、太った、髪の毛が、服装が・・・ご本人は会えた嬉しさ、離れている寂しさ、見えない不安をお互いに限られた時間を意識しながら一生懸命交わしあっている光景が目に浮かんできます。事実会えなかった時間や今を正確に受け止めてくれたか心配なケースもあると思います。
以前面会に来られた後、必ず自宅に戻ってから電話をくれるご家族がいて面会が心配や不安のキッカケ、要因になることもありました。これだけ長期間、物理的に家族や地域から閉ざされたことは経験がなく、面会が出来るようになった事と同時に、この空白の時間を埋める努力を私たちは忘れてはいけないと思います。
ご本人に会う前にこの間の健康状態や生活の変化を伝え、面会がすんだらご家族から久しぶりの感想や気付いたことをその場で伝えていただく。まさしく空白の時間をお互いが早く、たくさん埋める努力をして欲しいと思います。
体重の増減でも、歯が抜けたでも、茶碗が欠けたでもいいので、身近な具体的なことを私たちもこの穴埋め作業のお手伝いをしてほしいと思います。電話や一筆箋で伝えていただいていることは承知していますが、今人手が足りない中でもここで丁寧に修復作業をしておくと、これから先大きな事故にならないと思って頂きたいと思います。
この空白を早く埋めようと感染対応を忘れてご家族が、直接大声で接していたりする場面も見受けられます。感染対応は引き続き確認をしながらお願いします。