今年の一言(令和4年)
「伴走者」
常務理事 茅野 隆徳
看取り
令和4年8月8日
コロナ対応の中、近親者の葬儀でお休みをいただきました。日々、緊張感と激務が続き職員のみなさんには感謝申し上げます。
そんな中この連絡版で何を伝えようか戸惑いましたが今回、家族を見送った近親者として同じコロナ禍の中、介護保険施設の職員さんの様子をお伝えして、同じ悩みを抱えながら日々奮闘している仲間がいる事を知ってほしいと思います。
義兄は64歳、一年半前に脳梗塞で倒れ2度の手術をして入退院を繰り返し、介護5でした。7月下旬尿路感染からくる発熱が続き昏睡状態を繰り返していました。施設からは転移して積極的治療をするかこのまま看取りの介護にするか選択を求められました。
当然家族は迷いましたし一人ひとり考えもバラバラでした。ただ一つ共通の思いは、「一人にしたくない」「寂しい思いはさせたくない。」でした。結果は施設での看取りをお願いしました。
そこから施設の姿勢は一変して本人の介護だけでなく、私たち家族に対しての支援が始まりました。姉は一日2回面会が許され、家族も3名まで一日1回15分面会が許されました。急変も含めると二晩泊まることも許されました。コロナ禍の中現場の職員さんは大変だったと思います。不安を口にする職員さんも居ました。
ただそうした中で、最後の臨終には立ち会えませんでした。あれだけ一人で旅立たせたくないと思ったはずなのに、家族が動揺している中で職員の方が凛として「まだ聞こえていますよ」「まだ居ますよ」の声は私たちを正気に戻してくれました。
覚悟を決めた時から足を運び、声をかけ、さすってあげた事が私たち家族に確かな達成感となって少しだけ笑顔が早く戻る支えを頂いた気がします。私たちの仕事は、コロナ禍だからこそ本人だけでなくご家族も支えている大切な仕事をしています。頑張りましょう。