連絡版 No993

今年の一言(令和4年)

「伴走者」
                                      常務理事 茅野 隆徳

台風襲来
                                          令和4年9月5日

 今週は非常に勢力の大きい台風11号が南の海で迷走の果て、よりによって大陸と日本の間を器用に北上して来そうです。何年か前に今回と同じような進路をたどり、北海道には辿り着かない台風が、北海道大学の名物ポプラ並木をなぎ倒した「ポプラ台風」の再来を予想しています。
 本来長野県では台風は太平洋側に進めば雨、日本海を通れば風と言われていてこの週末、我が家の今月収穫が始まる秋映のりんごに落下防止剤を散布しました。もともと収穫時期を自分で判断して自ら親の木から落ちて行くセッカチなりんごですがここに台風が重なればひとたまりもなく、なかば覚悟の上の作業でしたが致し方ありませんでした。
 作業はりんごの実一つひとつ枝についている芯(楊枝の棒)にホルモン剤を吹き付ける作業でりんご一つひとつの顔を見ながら「落ちるなよ」「お前大丈夫か」と思いながらしました。この薬、殺虫剤でも無く、殺菌剤でも無い悪いものを治す農薬ではなくそのりんごの性格や癖を変えることが出来るホルモン剤、なんと不思議なものでこれはりんごだけでなく去年から始めた菊の3本仕立ても先端に何度か散布するだけでコンパクトに仕立てる菊栽培に挑戦をしていますが不思議に成長が止まっています。
 人間が考える都合のいい知恵と自然の驚異のどちらが勝つのか今回はドキドキです。でもどこか冷ややかに「あの風に叶いっこない!」と思ってしまう私は、コロナだって世界中が知恵を絞っていても叶わない様に、人に都合のいいようには行かないだろうと思ってしまいます。
 散布も後半疲れて、人間も離れて行こうとする人を引き留められるホルモン剤があれば散布するだろうかと妄想に走りながら夕方まで作業は続きました。

   

   

   

   

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